使用関数:STDEVPA
標準偏差については以下の記事で詳しく解説しています
STDEVPA関数とは?
STDEVPA関数はデータ(数値・文字列・論理値)の標準偏差(標本標準偏差)を求めるエクセルの関数です。
母集団(標準偏差を求める全データ)すべてを対象範囲にして求める標準偏差で、比較的少ないデータ数の表に使われます。
STDEVPA関数の引数
STDEVA関数は「数式」タブ「関数ライブラリ」→「その他の関数」→「統計」にあります。
STDEVPA関数の引数の構成は以下の通りです。「値1」だけが必須で「値2」以降は任意、「値255」まで指定できます。
STDEVPA関数は数値だけでなく、文字列と論理値も含めて標準偏差の計算対象にします。
- 文字列と論理値のFALSE:0として計算されます
- 論理値のTRUE:1として計算されます
STDEVPA関数の引数に連続したセル範囲を指定する場合は、「値1」にドラッグで入力します。
離れたセル、飛び飛びのセル範囲なら「=STDEVPA(B2:B4,D2:D4)」のように半角カンマで区切って指定します。
STDEVAとSTDEV.S関数の違い
STDEVPAとSTDEV.Pはどちらも母集団全体から標準偏差を求める関数です。STDEV.Pは数値だけを対象に計算しますが、上述したようにSEDEVPAは文字列や論理値を含めて計算します。
下図は同じ表を使ってSTDEV.PとSTDEVPAで標準偏差をそれぞれ計算した結果です。
数値だけを対象に計算するSTDEV.P関数の結果は3チームともばらつきの度合いに大きな差がありません。失格になった競技者のデータが無視されているためですが、これでは得点が低い競技者がいるチームは失格者がいるチームより不利な分析結果になります。
対するSTDEVPA関数は文字列を「0」として計算するため、失格者がいるチームの標準偏差が大きくなり、チーム内の実力に著しい個人差があると分かります。
標準偏差を求めるエクセル関数の種類
エクセルには標準偏差を計算するための関数が数種類あります。その一覧をまとめました。
関数名 | ライブラリ | 標準偏差の種類 | 仕様 |
---|---|---|---|
STDEV.S | 統計 | 不偏標準偏差 | 抜き出した標本の数値を対象に母集団の標準偏差を推定する |
STDEV.P | 統計 | 標本標準偏差 | 母集団の数値を対象に標準偏差を求める |
STDEVA | 統計 | 不偏標準偏差 | 抜き出した標本のデータを対象に母集団の標準偏差を推定する |
STDEVPA | 統計 | 標本標準偏差 | 母集団のデータを対象に標準偏差を求める |
DSTDEV | データベース | 不偏標準偏差 | 条件を満たすデータから不偏標準偏差を求める |
DSTDEVP | データベース | 標本標準偏差 | 条件を満たすデータから標本標準偏差を求める |
STDEVPA関数で計算する「標準偏差(標本標準偏差)」は母集団(全データ)を範囲とします。対象は数値だけでなく、文字列・論理値も含みます。空白は無視されます。
文字列と論理値のFALSEは「0」として、論理値のTRUEは「1」として計算されます。