R1C1参照形式の表示方法と役立て方・A1との相違点

A1参照形式とR1C1参照形式のセル比較
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R1C1参照形式の表示方法と役立て方・A1参照形式との相違点

Excelの参照形式には2種類あります。デフォで表示されているお馴染みの「A1」形式ともう一つ、「R1C1」形式です。

R1C1参照形式に切り替える方法

ファイルのタブタブをクリックし、左サイドメニューの「オプション」をクリック。
Excelメニューのオプションをクリック数式のR1C1参照形式を使うにチェック
「Excelのオプション」画面の「数式」を開き、「数式の処理」の「R1C1参照形式を使用する」にチェックを入れてEnterを押せば、編集画面の列アルファベットが数字に置き換わっているはずです。
列番号が数字になる
A1参照形式に戻したい時は、このチェックを外します。

A1とR1C1の相違点

(1)列と行の表記が逆「A1」は「A列の1行目番地 」
「R1C1」は「1行目の1列番地」
どちらもシート上の一番最初のセルの表記ですが、列番号と行番号が真逆。
A1参照形式とR1C1参照形式のセル比較
R1C1の「R」は行を表すRowの頭文字、「C」は列を表すColumnの頭文字です。

(2)R1C1の表記はA1より具体的
セルの参照サンプル
この↑図はA1参照形式の表示です。
「D3」セルが選択されていて、このセルから「B2」セルを参照してみることにします。

通常の相対参照で参照した場合、数式バーに入るのは「=B2」
これをR1C1参照形式で表示し直すと、「=R[-1]C[-2] 」になります。

A1参照形式での表示は単純な座標の番号であるのに対し、R1C1参照形式での表示は参照する側(A1参照形式でのD3セル)からの位置情報になっているのです。

即ち、「=R[-1]C[-2] 」とは「このセルから縦に一つ戻り、横に二つ戻った位置にあるセルを参照しています」と同義ということです。
R1C1で[]の数字が位置を示す
R1C1参照形式が参照する側と参照する対象のセルの関係を、より具体的に表現していることがわかると思います。

絶対参照・相対参照・複合(絶対列参照・絶対行参照)ごとの表記【上記例】

  A1参照形式 R1C1参照形式
絶対参照 =$B$2 =R2C2
相対参照 =B2 =R[-1]C[-2]
絶対列参照 =$B2 =R[-1]C2
絶対行参照 =B$2 =R2C[-2]

※ A1形式では$が付いてにぎやかになってる方が絶対参照だけど、R1C1形式では [数字] 付きでにぎやかになってる方が相対参照。B2は相対で、R2C2は絶対。

※ R1C1形式の[]の数字は当該セルからの距離の数値。[3]なら3つ先のセル、[-4]なら4つ前のセル。[]に入っていない裸の数字は番地(座標)の表記。

絶対・相対・複合参照で迷ったらR1C1に切替えてみよう

数式や関数の入ったセルをコピーすると、なんじゃこりゃ!な結果になることがありますよね。

たぶん、どこかに$を付けて固定させなきゃいけないんだろうってことはウスウス分かっても、ビシッとこれが正解!っていう確信が持てない悩ましさ。

この状況の打開策を見つけるのに、R1C1参照形式はとても役に立ちます。
「このセルの式はどーゆう状況なの?」という問いに答えをくれるから。

条件付き書式のコピーの解説ページで例題にした、点数の平均値を求める式で説明してみます。

英語の点数の平均以上に書式を設定する式を「=C3>=AVERAGE(C3:C12)」として、
条件付き書式の数式
これを化学の列にもコピーしました。
数式を他の列にコピー
化学の平均点は65.8、それなのに平均点以下のE7セルの65点に書式が反映。

コピー先の数式を確認すると、「=E3>=AVERAGE(E3:E12)」
順当に列移動してコピーされていて、問題は無さげ。

これをR1C1参照形式に切り替えて確認してみると、コピー元、コピー先両方共「=RC>=AVERAGE(RC:R[9]C)」
この式を言葉に置き換えると、「一つのセルの値が、そのセルから9つ先の行までの平均値以上だったら・・・」ということ。

数字の付かない「RC」は適用範囲内にある一つのセルという意味だから、A1参照形式でのE7セルの判定基準になるのがE7からE16までの平均点62.94…ということになり、E7セルの65点が平均以上と判定されたんだと分かります。更に、修正すべき箇所も分かりましたね。「=RC>=AVERAGE(R3C:R12C)」と行を絶対参照に固定すればいいわけです。

R1C1のままでは修正しにくいなら、ここでA1に戻して「=C3>=AVERAGE(C$3:C$12)」「=E3>=AVERAGE(E$3:E$12)」と変えてもいいでしょう。

マクロでもいじらない限り使わないR1C1参照形式ですが、論理的で具体的な表示を参考にして問題解決を図るのに意外と有用ですよ。

絶対参照・相対参照・複合参照を徹底的にわかりやすく

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