PowerPoint(略称パワポ)にはMicrosoftが無料で提供する商用利用OK、著作権フリーのアイコン素材を挿入する機能があります。アイコン・イラストを無料ダウンロードできるサイトを探し回る手間を省き、パワポ内で手軽くフリー素材を入手できます。(※2016年に「クリップアート」に代わって追加された比較的新しい機能で、デスクトップ版Office製品のバージョンやライセンスの型によっては使えないこともあります)
人や物のイメージをシンプルに図案化したアイコンはパワポで作成する資料の見やすさ、デザイン性を格上げしてくれる便利なフリー素材です。箇条書きの行頭記号や見出しのイラストなどにアイコン素材を積極的に取り入れましょう。
パワポの「アイコン」挿入ボタンがある場所
「挿入」タブ➔「図」グループに「アイコン」ボタンはあります。
「アイコン」ボタンをクリックすれば、素材の一覧が開きます。この一覧のタイトルで分かるように「アイコン」は「ストック画像」の一部です。「ストック画像」にはアイコンの他に「画像(主に写真)」「人物の切り絵」「イラスト」など使いやすいフリー素材がカテゴリー別に格納されています。
パワポの「アイコン」素材の挿入・使い方・使用例
アイコン一覧は人物・動物・ビジネス・教育・職業・体の部位など、36種類(2024年1月現在)のテーマに分かれ、タブを切り替えて効率的に素材を探すことができます。
パワポのアイコンは白黒2種類のシンプルな透過素材
パワポのアイコンは、一つのデザインにつき、黒1色の素材と白抜き素材の2種類が用意されています。どちらのアイコンも背景が透過されたフラットな素材で、色や模様で塗りつぶされたスライド背景にも綺麗に配置できます。
ピクトグラムが豊富
標識に使うピクトグラムも多数用意されていて、様々な説明文書の制作に大いに役立ちます。シンプルで汎用性に富んだ素材で、デザインに統一性があるので、数種類のピクトグラムをピックアップして使うのにも便利です。
複数のアイコンを同時に挿入する
アイコンは複数の素材をまとめて同時に挿入することができます。使いたいアイコンをクリックしてチェックすると、選択した素材の総数が「挿入」ボタンの文字横に表示されます。この例では天気マークを5個チェックしました。素材の選択が完了したら、「挿入」ボタンをクリックします。
5個のアイコンが重なって同時挿入されました。
白黒アイコンの色を変える
パワポのアイコンは簡単に色を変えることができます。アイコン画像を選択して右クリック、ツールバーの「塗りつぶし」で色を変更します。
アイコン素材には枠線を付けたり、影などの効果を付けることもできます。
アイコンの使用例【1】天気分布のグラフ
5個の天気マーク・アイコンをグラフの系列名の代わりに使ったサンプルです。文字で系列の名前を表示するより、月の天気分布が直感的に分かりやすく示されます。
アイコンの使用例【2】サポート案内のイラスト
カスタマーサポートの案内文書にアイコンを使ったサンプルです。「標識およびシンボル」「人物」「コミュニケーション」「矢印」の素材一覧から、顧客、オペレーター、電話、矢印のアイコンを挿入し、色変えや影の効果を施しています。
パワポのアイコン素材は分解して編集できる!
ストック画像の一覧から挿入したパワポのアイコンはオブジェクトの一種です。上記でご紹介したように、黒を他の単色に変更したり、影などの効果を付けることは可能です。しかし、「塗りつぶし」にグラデーションやテクスチャを適用することはできません。より詳細な編集を実行するために、アイコンを「図形」に変換する機能があります。
アイコンを選択して「グラフィックス形式」タブに切り替え、リボン左端にある「図形に変換」ボタンをクリックします。
下図の焚き火アイコンは3個の図形に分解されました。
分解された図形は、それぞれ別々に編集することができます。異なる「塗りつぶし」を適用し、変形や位置の移動、立体加工なども図形ごとに行えます。分解した図形を色々に組み合わせて、オリジナルのイラストを作るのもいいでしょう。
アイコンは伝わる資料作成のために欠かせない素材です。本記事では、パワポのアイコン機能の使い方をアイコン素材の使用例とともにご紹介しました。