Excel(エクセル)VALUETOTEXT関数の使い方|引用符付きの文字列を返す
全種類の入力値を対象に文字列に変換するVALUETOTEXT関数について、できるだけ分かりやすく解説します。
使用関数:VALUETOTEXT
VALUETOTEXT(バリュートゥーテキスト)関数とは?
VALUETOTEXTは読んだまま、Value(値)をText(文字列)に変換する関数です。数値も日付も論理値も文字列で返します。
VALUETOTEXT関数の一番の特徴は、引数に文字列を指定するのと同じに二重引用符(”)で括った表示で文字列を返すことができる点です。これは数値や日付・時刻のシリアル値、論理値には適用されません。
ARRAYTOTEXTとVALUETOTEXT関数の違い
ARRAYTOTEXT(アレイトゥーテキスト)も文字列に変換する関数ですが、VALUETOTEXTが値を対象にするのに対して、ARRAYTOTEXTは配列を対象にします。
VALUETOTEXTが二重引用符で括った文字列を取得するように、ARRAYTOTEXTは中括弧で括った配列数式を文字列で取得します。
ARRAYTOTEXT関数の詳しい使い方はこちらの記事で解説しています
VALUETOTEXT関数が使えるExcelバージョン
VALUETOTEXT関数は現在、Microsoft365のみで使えます。単品のExcelでは使えませんのでご注意下さい。
VALUETOTEXT関数の基本的な使い方
VALUETOTEXT関数で以下の値を文字列に変換して、引数の指定を一つずつ確認していきましょう。
変換後の文字列を表示させるセルを選択して、「数式」→「関数ライブラリ」→「文字列操作」からVALUETOTEXTをクリックします。
VALUETOTEXT関数の引数は「値(必須)」と「書式(任意)」です。
第一引数「値」に複数のセルを一括で指定する
文字列に変換する値を指定します。多くの場合、値の入力されたセルを参照します。
Microsoft365ではスピルに対応しているので、変換したい値の複数のセルをまとめて範囲指定します。
第二引数「書式」
変換する文字列の書式を「0」か「1」で指定します。省略した場合は0を指定したと見なされます。
指定番号 | 書式 |
---|---|
0 | 値の種類にかかわらず、単純に文字列として返します |
1 | 文字列の場合、二重引用符(ダブルクォーテーション)で括って返します |
文字列以外の値については0を指定しても1を指定しても同じです。この例では値に文字列が含まれていないので引数「書式」は省略します。
Enterで数式を確定させると、「値」に指定したセル範囲が一括で文字列に変換されます。
数値にVALUETOTEXTを適用した戻り値
変換元の数値にはそれぞれ「セルの書式設定」の「表示形式」が適用されています。数値にVALUETOTEXT関数を適用すると、これらの表示形式が除外された数値そのものが文字列に変換されて返されます。
桁区切り記号は外され、漢数字は半角英数字に、通貨記号も消え、パーセンテージは小数になります。
日付にVALUETOTEXTを適用した戻り値
日付や時刻の値にVALUETOTEXT関数を適用すると、シリアル値が文字列で返ります。
変換元の日付のセルにはTODAY関数が入力されており、それぞれ「セルの書式設定」の「表示形式」が適用されていますが、これらの表示形式が除外されてシリアル値の数字が文字列に変換されます。文字列に変換されたシリアル値に表示形式を適用しても日付には戻りません。
論理値にVALUETOTEXTを適用した戻り値
論理値のTRUEとFALSEはそのまま文字列として返され、配置が中央から左寄せに変わります。引数「書式」に1を指定してもダブルクォーテーションは付きません。
VALUETOTEXTで二重引用符付きの文字列を取得する応用例
引数「書式」に1を指定して文字列の値にVALUETOTEXT関数を適用すると、二重引用符(ダブルクォーテーション)で括られた文字列が返ります。
以下の表の「判定」の列にはIF関数=IF(A2=”A”,”◯”,””)でAランクだけに◯が付くようにしています。A以外は空白文字が入力されますが、数式の入っていない空のセルが含まれている可能性があります。これをVALUETOTEXT関数で確認してみましょう。
VALUETOTEXT関数の引数を以下のように指定します。第二引数「書式」を1にするのがポイントです。
空白文字があるセル(=数式が入っているセル)には「“”」と表示され、空のセルには何も表示されません。
膨大なデータベースで空のセルや空白文字を抽出する一つの方法として役立ててみて下さい。