Excel（エクセル）VARPA関数の使い方｜データで分散を求める
使用関数：VARPA
分散については以下の記事で詳しく解説しています
VARPA関数とは？
VARPA（バリアンス・ピー・エー）関数はデータ（数値・文字列・論理値）の分散（標本分散）を求めるエクセルの関数です。母集団（分散を求める全データ）すべてを対象範囲にして分散を計算します。VARは分散を意味するVariance（バリアンス）の略。「P」はPopulation（ポピュレーション＝母集団）の頭文字です。
VARPAに限らず、末尾にAが付くExcelの関数では、数値だけでなく文字列・論理値も計算の対象になります。
- 文字列・論理値のFALSE ： 0として計算されます
- 論理値のTRUE ： 1として計算されます
VARPA関数で（標本）分散を計算する
「数式」タブ→「関数ライブラリ」→「その他の関数」→「統計」→VARPAで関数の引数ダイアログボックスが開きます。
VARPA関数の引数を指定する
VARPAの引数の構成は以下の通りです。引数は数値ではなく、「値1」「値2」・・・です。「値1」だけが必須で「値2」以降は任意、「値255」まで指定できます。
会員特典の利用回数を比較した表でVARPAを実行してみましょう。データの中に「利用なし」の文字列が含まれています。
VARPAの引数「値1」に分散を求める範囲をドラッグで指定しました。
離れたセル、飛び飛びのセル範囲なら「=VARPA(B4,B8,C5)」のように半角カンマで区切って指定します。
特典Bにもオートフィルコピーして標本分散を計算しました。以下が結果です。
VARPA関数で求めた標本分散でばらつきを比較する
ここでの注目はVARPA関数で得た分散同士の比較ではなく、VARPA関数とVAR.P関数の比較です。
文字列を無視するVAR.P関数と文字列を「0」として計算するVARPA関数では、特典A・B共にVARPAの方のばらつきの数値が大きくなっています。このような表では利用がない状況を無視すると正確な分析データになりません。こうしたケースでは「利用なし」を数値化して分散の計算に加えるVARPA関数を使います。
分散を求めるエクセル関数の種類
エクセルには分散を計算するための関数が数種類あります。その一覧をまとめました。
| 関数名 | ライブラリ | 分散の種類 | 仕様 |
|---|---|---|---|
| VAR.S | 統計 | 不偏分散 | 抜き出した標本の数値を対象に母集団の分散を推定する |
| VAR.P | 統計 | 分散 | 母集団の数値を対象に分散を求める |
| VARA | 統計 | 不偏分散 | 抜き出した標本のデータを対象に母集団の分散を推定する |
| VARPA | 統計 | 分散 | 母集団のデータを対象に分散を求める |
| DVAR | データベース | 不偏分散 | 条件を満たすデータから不偏分散を求める |
| DVARP | データベース | 分散 | 条件を満たすデータから分散を求める |
VARPA関数で計算する「分散」とは平均値からのデータのばらつきの目安となる指標です。VARPA関数は数値だけでなく、文字列・論理値も含めて対象とし、母集団（全データ）すべてを範囲とする分散を求めます。VARPA関数で求めた分散をExcelでは「標本分散」と呼びます。同じく、空白以外のデータで分散を求めるVARA関数は母集団から標本を抜き出して、それを範囲として計算します。