Excel(エクセル)で「縦書き」にする|文字・数字・図形・グラフ
エクセルは「横書き」のイメージがありますが、「縦書き」にも対応しています。
ここでは、エクセルでセル内の文字を縦書きにする方法、「均等割り付け」で縦書きの文字間隔を調整する方法、縦書きから横書きに戻す方法、括弧付きの文字やハイフンの縦書き、図形やグラフの文字の縦書き、縦書きで二桁の数字だけ横書きにする方法などを分かりやすくまとめています。
Excel(エクセル)でセル内の文字を縦書きにする方法
資料やレポートに印刷する見栄え重視の表などで、小見出しをまとめた見出しを縦書きにすることがあります。以下の表を例に、エクセルの縦書き操作を解説します。
小見出しの行数分のセル範囲を結合して、縦書きにする見出しを横書きで入力します。
縦書きにする見出しのセルをCtrlキーを押しながらクリックして2つとも選択し、「ホーム」タブのリボンの「配置」グループにある「方向」ボタンをクリック、メニューから「縦書き」を選択します。
選択したセル内の文字が縦書きになりました。
縦書きにしたセルの右端の線に位置する列番号の境界(この例ではB列とC列の境界)をダブルクリックして、セル幅を適正に縮めます。
セルの書式設定「均等割り付け」で縦書きの文字間隔を調整する
セル内の横書き文字列を縦書きにすると、文字間隔に違和感を感じる場合があるかもしれません。この例だとスペースを間に一つ入れればよさそうですが、文字数やフォントの種類によっては字間の調整に結構苦労することがあるでしょう。ここでは縦書きの文字間隔をセルの書式設定の「均等割り付け」で調整します。
縦書きの文字が入ったセルを選択して、右クリック、メニューから「セルの書式設定」をクリックしてウィンドウを開きます。
「配置」タブの「文字の配置」→「縦位置」のプルダウンメニューから「均等割り付け」を選択し、すぐ下にある「前後にスペースを入れる」にチェックします。
セル内の縦書き文字が、適正な文字間隔になりました。
Excel(エクセル)で縦書きにしたセル内の文字列を横書きに戻す
上記で横書きから縦書きに変更したセルを横書きに戻すには、「ホーム」タブ→「配置」グループ→「方向」ボタンをクリック、再度「縦書き」をクリックします。
Excel(エクセル)の縦書きで括弧(かっこ)の付いた文字の表示
会社表記の(株)や曜日表記の(木)など、括弧(かっこ)を縦書きの中で横に表示するのは簡単です。カッコと株、木を別々に入力すると調整に手間取りますが、「かぶしきがいしゃ」「もくようび」で変換すれば括弧付きの特殊文字が1文字で表示されます。縦書きにする文字列に入力する場合は、このカッコ付きの文字を使いましょう。
フォントにもよりますが、1文字にカッコと文字がレイアウトされるので、通常の文字より小さめに表示されます。気になるようなら、カッコ付きの文字だけをドラッグで選択して、文字サイズを1pt~2ptほど大きくします。
Excel(エクセル)の縦書きでハイフンの表示
横書きで入力した郵便番号、電話番号、コードなどの半角ハイフンは縦書きにしても横のままです。
半角英数字のみで入力された文字列なら、この場合、「縦書き」でなく、「右へ90度回転」を設定します。
文字を回転させずに縦書きで表示したい場合は、半角ハイフンを日本語入力で全角ハイフン「‐」に直すか、縦棒「|」で代用しましょう。
「図形」の文字を縦書きにする方法
エクセルの「挿入」タブから作成できる図形には文字が入力できます。下図のように、図形に入力される文字は横書きがデフォルトです。
これを縦書きにするには、図形が選択されている状態で右クリック、開いたメニューの最下部にある「図形の書式設定」をクリックします。
「図形の書式設定」作業ウィンドウが開きます。画面は「図形のオプション」と「文字のオプション」に分かれ、どちらからでも「縦書き」の設定ができます。
- 「図形のオプション」では一番右端にあるアイコン「サイズとプロパティ」をクリック、画面の一番下の「テキストボックス」を開いて「文字列の方向」を「縦書き」に変更します。
- 「文字のオプション」では一番右端にあるアイコン「テキストボックス」を開いて「文字列の方向」を「縦書き」に変更します。
図形によっては「横書き」から「縦書き」に変更すると文字の位置がズレるので、適宜、「垂直方向の配置」も変更しておきましょう。(例:「中心」→「中央揃え」)
図形の中の文字が縦書きになりました。
この例では、図形に文字をきれいに納めるため、「テキストを図形からはみ出して表示する」にチェックを入れています。
文字の位置の調整がうまくいかない時にここをチェックすると、うまくいく場合があります。
「数字」の縦書き
二桁以上の半角数字が含まれている横書きの文字列を縦書きにするとき、数字だけ横書きに残したいことがあります。ですが、エクセルにはセル内の文章に縦書きと横書きを混在させる「縦中横」の機能はありません。
Excel(エクセル)の縦書きで二桁の数字だけ横書きにする方法
エクセルで縦書きの中の日付や単位など二桁の数字を横書きにするためには、セルに直接文章を入力するのではなく、テキストボックスを挿入します。
テキストボックスは「挿入」タブの「図形」ボタン→「基本図形」からも、「テキストボックス」ボタンからも挿入できます。
テキストボックスには「横書き」と「縦書き」があり、「縦書きテキストボックス」を選べば縦に文字を入力することができます。「縦書きテキストボックス」を適当な大きさに描画して、半角数字を含む文字列を入力すると、数字は全て一文字ずつ縦に並んで入力されます。
テキストボックスは図形の一種なので、書式の設定や編集は「図形の書式設定」から行います。テキストボックス上で右クリックしてメニューから「図形の書式設定」を選んで開きます。
「図形の書式設定」の「文字のオプション」タブ「テキストボックス」の「文字列の方向」が「縦書き(半角文字含む)」になっているはずです。
この設定を「縦書き(半角文字含む)」から「縦書き」に変更します。
半角の二桁の数字が縦中横の表示になりました。
この方法で縦中横にできるのは二桁の数字だけです。三桁や四桁の数字は下図のように分割されて表示されてしまいます。
行スペースの点から言っても、縦書きの文章で四桁の数字を横書きで残すのはちょっと無理があるかもしれません。年号なら縦書きのまま漢数字に変換する方が見た目もいいと思います。
西暦を含む縦書きの文字列の表示の3つの例を以下に挙げました。
- 1.縦書きテキストボックスに半角数字をそのまま入力。方向は「縦書き(半角文字含む)」のまま。
- 2.西暦「2010」と「2013」を漢数字で「二〇一〇」「二〇一三」と入力。
- 3.「Excel2010」「Excel2013」をそれぞれ別の横書きテキストボックスに入力し、回転ハンドルで90度回転させ、図形の塗りつぶしと枠線を「なし」にして、元の縦書きテキストボックスに配置。
縦書きの改行を左から右にする
セル内に入力した縦書きの文章は右から左に改行されます。これを左から右に改行させるには、改行された後半の文字列を切り取って文章の先頭にペーストした上で前半を改行するという無理やりな方法を採ることになります。あまりスマートなやり方とは言えないので、やはり、ここも「テキストボックス」を使うことをおすすめします。
「縦書きテキストボックス」を描画して文章を入力すると、「図形の書式設定」作業ウィンドウ「テキストボックス」の「文字列の方向」の下に「行の並び」という項目が現れます。初期値は「右から左」になっているので、これを「左から右」に変更します。
テキストボックス内の縦書きの文字列が左から右に改行されました。
Excel(エクセル)でグラフの項目を縦書きにする
エクセルのグラフの項目を横書きから縦書きに変更する操作です。横軸の項目名を縦書きにしてみましょう。
グラフの横軸のエリアをダブルクリックすると「軸の書式設定」作業ウィンドウが開きます。
グラフの 「軸の書式設定」作業ウィンドウは「軸のオプション」と「文字のオプション」の2つのタブに分かれています。そのどちらからも「縦書き」の設定ができますが、この場合は「縦書き(半角文字を含む)」に設定しました。その方が文字間隔が少し広めになって、きれいな縦書きになります。
- 「軸のオプション」では右から2番目のアイコン「サイズとプロパティ」をクリック、「配置」を開いて「文字列の方向」を「縦書き(半角文字を含む)」に変更します。
- 「文字のオプション」では一番右端にあるアイコン「テキストボックス」を開いて「文字列の方向」を「縦書き(半角文字を含む)」に変更します。
エクセルでグラフの横軸の項目名が縦書きに変更されました。