ローマ数字(正式と略式)とアラビア数字↔ローマ数字変換

ローマ数字(正式/略式)とアラビア数字↔ローマ数字変換

ローマ数字(正式と略式)とアラビア数字↔ローマ数字変換

ローマ数字は見出しの番号をオシャレにしたい時などに使われる数字記号です。ローマ数字とはどのようなものか、変則的な4、9のローマ数字について、ローマ数字の正式・略式の法則と一覧、Excelでアラビア数字(通常、私達が使っている英数字)からアルファベット表記のローマ数字へ、ローマ数字からアラビア数字へ変換する関数について解説します。

使用関数:ROMAN、ARABIC

ローマ数字とは?

ローマ数字は古代ローマから発祥したとされる数字を表す記号です。1から3999までの数字記号があり、0に対応する記号はありません。

アラビア数字(英数字)ほど生活に深く根ざしてはいませんが、文書の章見出しや時計の文字盤で目にすると思います。現代においては機能性よりデザイン性で採用される数字と言えるでしょう。
ローマ数字

ローマ数字の法則と読み方

ローマ数字(Roman Numerals)は以下の記号を組み合わせて数を表現します。読み方はアラビア数字(英数字)と同じ、英語なら「One、Two、Three・・・」日本語なら「いち、に、さん・・・」です。

ローマ数字の記号 対応するアラビア数字
大文字 小文字
1 (Ⅱ=2)(Ⅲ=3)
5
10 (XX=20)(XXX=30)
L l 50
C c 100 (CC=200)(CCC=300)
D d 500
M m 1000 (MM=2000)(MMM=3000)

例えばⅤ(5)+Ⅰ(1)=Ⅵ(6)、また、Ⅹ(10)+Ⅱ(2)=Ⅻ(12)というように組み合わせます。

ローマ数字4と9について

ローマ数字のⅣ(4)とⅨ(9)にはちょっと癖があります。上記の順当な規則性とは逆で、右にある記号から左の記号を引き算します。Ⅳ(4)とⅨ(9)の10倍、100倍も同様の規則性を持ちます。

  • Ⅴ(5)-Ⅰ(1)=Ⅳ(4)
  • Ⅹ(10)-Ⅰ(1)=Ⅸ(9)
  • L(50)-X(10)=XL(40)
  • C(100)-X(10)=XC(90)
  • D(500)-C(100)=CD(400)
  • M(1000)-C(100)=CM(900)

また、45、99などはⅤL(50-5)、ⅠC(100-1)と書くこともできますが、これは略式で、正式には以下のように上記の記号を組み合わせた表記になります。

  • XL(40)+Ⅸ(9)=XLⅨ(49)
  • XC(90)+Ⅸ(9)=XLⅨ(99)
  • CD(400)+XC(90)=CDXC(490)
  • CD(400)+XC(90)+Ⅸ(9)=CDXCⅨ(499)
  • CM(900)+XC(90)=CMXC(990)
  • CM(900)+XC(90)+Ⅸ(9)=CMXCⅨ(999)

ローマ数字の正式な書式と略式4種類の違い

ローマ数字の書式には正式な表記の他に、簡略化された表記があります。略式は簡略化の度合いによって4段階に分かれているので、ローマ数字には全部で5種類の書式が存在します。

ローマ数字の書式の主な違いを以下にリストアップしました。

数字 正式 簡略化1 簡略化2 簡略化3 略式
45 XLV(40+5) VL(50-5) VL(50-5) VL(50-5) VL(50-5)
49 XLIX(40+9) VLIV(45+4) IL(50-1) IL(50-1) IL(50-1)
95 XCV(90+5) VC(100-5) VC(100-5) VC(100-5) VC(100-5)
99 XCIX(90+9) VCIV(95+4) IC(100-1) IC(100-1) IC(100-1)
495 CDXCV(400+90+5) LDVL(450+45) XDV(490+5) VD(500-5) VD(500-5)
499 CDXCIX(400+90+9) LDVLIV(450+45+4) XDIX(490+9) VDIV(495+4) ID(500-1)
995 CMXCV(900+90+5) LMVL(500+495) XMV(990+5) VM(1000-5) VM(1000-5)
999 CMXCIX(900+90+9) LMVLIV(500+495+4) XMIX(990+9) VMIV(995+4) IM(1000-1)
1995 MCMXCV(1000+900+90+5) MLMVL(1000+500+495) MXMV(1000+990+5) MVM(1000+995) MVM(1000+995)
1999 MCMXCIX(1000+900+90+9) MLMVLIV(1000+500+495+4) MXMIX(1000+990+9) MVMIV(1000+995+4) MIM(1000+999)
2995 MMCMXCV(2000+900+90+5) MMLMVL(2000+500+495) MMXMV(2000+990+5) MMVM(2000+995) MMVM(2000+995)
2999 MMCMXCIX(2000+900+90+9) MMLMVLIV(2000+500+495+4) MMXMIX(2000+990+9) MMVMIV(2000+995+4) MMIM(2000+999)
3995 MMMCMXCV(3000+900+90+5) MMMLMVL(3000+500+495) MMMXMV(3000+990+5) MMMVM(3000+995) MMMVM(3000+995)
3999 MMMCMXCIX(3000+900+90+9) MMMLMVLIV(3000+500+495+4) MMMXMIX(3000+990+9) MMMVMIV(3000+995+4) MMMIM(3000+999)

例えば3999のローマ数字は正式には「MMMCMXCIX」の長さですが、一番簡略化された表記では「MMMIM」です。西暦をローマ数字で表記する時など、略式があることを知っていると役立つ場合があるでしょう。

ローマ数字の一覧(正式/略式)

正式なローマ数字1~100までの一覧です。略式(45~49、95~99)も記載しています。

数値 ローマ字 数値 ローマ字
1 I 51 LI
2 II 52 LII
3 III 53 LIII
4 IV 54 LIV
5 V 55 LV
6 VI 56 LVI
7 VII 57 LVII
8 VIII 58 LVIII
9 IX 59 LIX
10 X 60 LX
11 XI 61 LXI
12 XII 62 LXII
13 XIII 63 LXIII
14 XIV 64 LXIV
15 XV 65 LXV
16 XVI 66 LXVI
17 XVII 67 LXVII
18 XVIII 68 LXVIII
19 XIX 69 LXIX
20 XX 70 LXX
21 XXI 71 LXXI
22 XXII 72 LXXII
23 XXIII 73 LXXIII
24 XXIV 74 LXXIV
25 XXV 75 LXXV
26 XXVI 76 LXXVI
27 XXVII 77 LXXVII
28 XXVIII 78 LXXVIII
29 XXIX 79 LXXIX
30 XXX 80 LXXX
31 XXXI 81 LXXXI
32 XXXII 82 LXXXII
33 XXXIII 83 LXXXIII
34 XXXIV 84 LXXXIV
35 XXXV 85 LXXXV
36 XXXVI 86 LXXXVI
37 XXXVII 87 LXXXVII
38 XXXVIII 88 LXXXVIII
39 XXXIX 89 LXXXIX
40 XL 90 XC
41 XLI 91 XCI
42 XLII 92 XCII
43 XLIII 93 XCIII
44 XLIV 94 XCIV
45 XLV(略式:VL) 95 XCV(略式:VC)
46 XLVI(略式:VLI) 96 XCVI(略式:VCI)
47 XLVII(略式:VLII) 97 XCVII(略式:VCII)
48 XLVIII(略式:VLIII) 98 XCVIII(略式:VCIII)
49 XLIX(略式:IL) 99 XCIX(略式:IC)
50 L 100 C

アラビア数字からローマ数字へ変換するROMAN(ローマン)関数

Excel(エクセル)のROMAN関数は数値(1234)をローマ数字(ⅠⅡⅢⅣ)表記の文字列に変換します。

以下の表のランダムなアラビア数字をROMAN関数でローマ数字に変換してみましょう。
ROMAN関数でローマ数字に変換するアラビア数字

文字列操作の関数とも言えますが、関数ライブラリでは「数学/三角」に格納されています。
「数式」→「関数ライブラリ」→「数学/三角」→ROMAN

旧バージョンのExcelでは関数の引数ダイアログを開くのは「関数の挿入」からになります。
関数の挿入ボタン

「関数の挿入」ダイアログが開いたらShift+Rを押して、Rの関数名からROMANをクリックします。
「関数の挿入」→「関数名」→ROMAN

ROMAN関数の引数ダイアログが開きます。引数は「数値(必須)」と「書式(任意)」です。

引数「数値」にはローマ数字に変換したいアラビア数字(英数字)を直に入力するか、セルを参照、または数値が戻り値になる数式を入力します。ここでは数値の入った最初のセルをクリックで指定します。
ROMAN関数の引数「数値」を指定

引数「書式」には前章の「ローマ数字の正式な書式と略式4種類の違い」で紹介した5つの書式に対応する番号を指定します。論理値(TRUE=正式、FALSE=略式)で指定することもできます。省略した場合は「0(正式)」を指定したものと見なされます。

1~44までの数字をローマ字化するなら、どの書式も同じなので引数「書式」は省略しましょう。

書式の対応数字 論理値での指定 書式の内容
0 TRUE・省略 ローマ数字の正式な書式(古典書式)
1   古典書式より簡略化した書式1
2   1より更に簡略化した書式2
3   2より更に簡略化した書式3
4 FALSE 略式のローマ数字

この例では略式の「4」を指定しました。
ROMAN関数の引数「書式」を指定

下までオートフィルコピーして完了です。アラビア数字がローマ数字に変換されました。
アラビア数字がローマ数字に変換

数式 =ROMAN(A2,4)

小文字のローマ数字を表示する

ROMAN関数で返されるのは大文字のローマ数字です。これを小文字で表示させたいなら、LOWER関数にROMAN関数の数式ROMAN(A2,4)を入れ子します。
LOWER関数にROMAN関数の数式を入れ子

アラビア数字が小文字のローマ数字に変換されました。
アラビア数字が小文字のローマ数字に変換

LOWER関数の使い方はこちらで解説しています

大文字↔小文字の変換|UPPER、LOWER、PROPER関数

ローマ数字からアラビア数字へ変換するARABIC(アラビック)関数

Excel(エクセル)のARABIC関数はローマ数字(ⅠⅡⅢⅣ)表記の文字列を数値(1234)に変換します。

ARABIC関数も「関数ライブラリ」の「数学/三角」に格納されています。
「関数ライブラリ」→「数学/三角」→ARABIC

旧バージョンのExcelでは「関数の挿入」からダイアログを開きます。
「関数の挿入」でARABIC関数を選択

ARABIC関数の引数「文字列」に変換したいローマ数字を直に入力するか、セルを参照します。指定するローマ数字は大文字でも小文字でも構いません。
ARABIC関数で数値に変換するローマ数字

ローマ数字が数値に変換されました。
ARABIC関数でローマ数字が数値に変換された

数式 =ARABIC(A2)

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