表の作り方を実践|初心者が踏み出すExcelの第一歩
簡単な表を作りながら、入力・計算・罫線の引き方など、エクセルの初歩操作を実践してみましょう。
例として、体重体組成計での測定データを表にしていきます。
構成と下準備
「表」を構成するのは主に、「見出し」「データ(値)」「データの計算結果」です。
「表」の大枠をイメージしておきましょう。頭の中でイメージしてもいいですが、紙に書いてみるのが一番確かです。
表の最初の列に置く「見出し」を決めます。
体重体組成計で測定するのは「体重・体脂肪率・内臓脂肪レベル・基礎代謝」の4項目。
表データの基準になる項目(この例では「測定日」)は、一番左側A列に置きます。
データから計算する項目(この例では測定値から算出する「BMI」)は、一番右側の列に置きます。
また、個人の測定表なので、別表に「性別・年齢・身長」の固定データを入力します。
「ファイル」タブ→「新規」→「空白のブック」をクリック
ブックが開きました。
Excelの画面構成について確認したい時は、下の記事を参照して下さい。
入力する
列(横への項目)に見出しを入力
「表」の「見出し」を1行目に入力していきましょう。
「A1セル」をクリックして選択。選択されたセルの境界線が太線で強調されました。
「測定日」と入力します。
何文字か入力すると候補が表示されます。この場合、「測定日」が2番目に出てきたのでTabキーを2度押してEnterで確定させます。
列に入力していく時は、Tabキーを押して横へ移動させます。
Tabキーを押してB1セルに移動し、「体重(kg)」と入力。同様にして、「体脂肪率」「内臓脂肪レベル」「基礎代謝」「BMI」まで入力します。
入力し終えたら、列アルファベットの「A」にマウスでポイントして、ポインタの形が小さな下向き黒矢印になったら右にドラッグ、「F」列までを選択します。
一番長い見出しの「内臓脂肪レベル」の入った「D」と隣の「E」の境目にポイントし、ポインタが左右両方向の矢印型になったら、右へドラッグして列幅を拡大します。
「内臓脂肪レベル」がピッタリ収まる幅でマウスを放すと、他の列も全て、等しい幅になります。
セルのサイズを調整する方法について、もっと詳しく!
見出しを中央揃え
入力した「見出し」のセル範囲(A1:F1)を選択します。
▶ 複数のセル・特定の範囲のセルを選択する操作いろいろ
「ホーム」タブ「配置」グループの「中央揃え」ボタンをクリックします。
左寄りだった文字列がセルの中央に配置されました。
固定データの表に見出しを入力
別表の「見出し」を入力します。
「H1」セルを選択して、「性別」と入力し、Enterで確定します。
もう一度、Enterキーを押すと、選択セルが一つ下に移動します。
「年齢」と入力、上記と同様にして「身長(m)」まで入力します。
縦への入力移動にはEnterキー、横への入力移動はTabキーと覚えましょう。
行の見出しも「中央揃え」にしておきます。
日付を入力
「測定日」に日付を入力します。測定は週1で行うことにします。
「A2」セルに半角英数字で日付を入力。年・月・日をスラッシュ(/)で区切ります。
Enterを押して「A3」セルに移動したら、1週間後の日付を入力。
この2つのセル範囲を選択します。
選択範囲のフィルハンドルを下にドラッグしてオートフィルコピーを実行します。
1週間ごとの日付が連続して入力されました。
予測可能な連続した値を一気に入力できるオートフィルコピーの操作法は下の記事で詳しく解説しています
データ(数値)を入力
測定値の入力は、日々、1行ずつ行うわけですが、ここではセルへの基本的な入力操作を覚えるという意味で、用意されたデータを転記していきます。
データを入力するセル範囲(B2:E11)を選択します。
この選択を解除しないで、このまま入力していきます。
キーボードで「87.02」と打つと、B2セルにその値が入力されます。Tabキーを押すと、C2セルに移動、数値を入力。この操作を繰り返します。
選択された範囲内では、入力→Tab→入力→Tab・・・でデータを入力できます。
数値の小数点を揃える
「体重」のデータの桁が不揃いなので、これを修正しましょう。
縦にドラッグしてセル範囲を選択します。
「ホーム」タブ「数値」グループの「小数点以下の表示桁数を増やす」ボタンをクリックします。
桁数は揃いますが、小数点以下が第3位まで表示されているので、今度は、隣りにある「小数点以下の表示桁数を減らす」ボタンをクリックします。
全てのデータの小数点以下第2位までで揃いました。
セルにROUND関数を使った数式を入れて、自動で小数点以下を処理する方法もあります
計算する
Excelの本分は「計算」です。
数式を入力し、算出結果を自動表示する――と聞くと、Excelに慣れていない内は、ちょっと尻込みしちゃうかもしれませんが、とっかかってみると、意外と簡単です。
この例では、肥満度を示すBMI値を算出してみましょう。
関数は使いません。計算の基本「四則演算」で数式を組み立てます。
四則演算など、Excelの計算についての予備知識を頭に入れたいなら、下のカテゴリーへ
「BMI」の計算式を入れる前に、別表の固定データを入力しておきます。
「BMI」の計算式は「体重÷身長の二乗」。
最初のセル「F2」を選択して、この数式を入れていきます。
数式を入力する時は、必ず最初に「=(等号・イコール)」を入力します。
これは、Excelで数式を扱う際のお約束です。
続いて、同じ行の「体重」の数値が入ったセルをクリックします。。
「割る」は「/」スラッシュですね。
次は、別表の「身長」の数値が入ったセルをクリック。スラッシュの後に「I3」とセル番地が入ります。
ここで、すぐに、F4キーを1回押します。すると、「I3」が「$I$3」に変わりました。
これは「絶対参照」といって、セル参照の形式の一つ。
「絶対参照」とは、平たく言うと、「参照するセルはI3だけ!」という宣言です。
Excelと付き合うために、セル参照を理解することはとても重要です。できれば以下の記事を一読して、この仕組みについて把握して下さい。
使用例を上げて、絶対参照・相対参照・複合参照をどんな時にどうやってどう使うかを詳細に解説しています
最後に、「2乗」の数式を「^2」と入力します。
「^(べき乗記号)」を使わず、「($I$3*$I$3)」「(身長✕身長)」としても数式として成り立ちます。
これで「BMI」の計算式は完成です。
「=B2/$I$3^2」=「体重割る身長の2乗」
または、「=B2/($I$3*$I$3)」=「体重割る(身長掛ける身長)」
小数点を四捨五入
Enterで確定させると、数値が入りますが、小数点以下の桁数が多すぎるので、これを四捨五入で丸めます。
「小数点以下の表示桁数を減らす」ボタンを数回クリックして、小数点以下第1位まで減らします。
数式をオートフィルコピー
このセルのフィルハンドルをダブルクリックします。
入力された行まで数式と表示形式がコピーされました。
罫線を引く
「表」の見栄えを罫線で整えてみましょう。
※ブックの表示を「ページレイアウト」に変えておくと、罫線のレイアウトが分かりやすいと思います。画面の右下ズームスライダーの隣に並ぶ3つのアイコンの真ん中です。
「ホーム」タブ「フォント」グループにある「罫線」ボタンをクリックして、「線の色」をカラーパレットから選択します。
同じく、「線のスタイル」から破線を選択します。
表全体を選択して、「罫線」ボタンから「格子」をクリック。
セルの境界線が全て破線になりました。
「見出し」の境界を目立たせるため、「線のスタイル」を「二重線」に変更。
マウスポインタがペン型になるので、二重線にしたい線上をなぞるようにドラッグして引いていきます。作業が終わったら、Escキーを押して解除。
同様にして、表の一番上と下の線を実線にします。
また、表の左右の線があると、窮屈な印象なので、これを消します。
「罫線」ボタンから「罫線の削除」をクリック。
マウスポインタが消しゴム型になるので、線を書く時と同様に線上をなぞるようにドラッグして消していきます。作業が終わったら、Escキーを押して解除。
罫線にはこの他にもいろいろな引き方があります
最後に、「見出し」のセル範囲をドラッグで選択し、「B」ボタンをクリック。
太字になりました。
「ファイル」タブ→「印刷」で、印刷プレビューを確認します。
見出しのセルに背景色を適用するなら、「ホーム」タブ「フォント」グループにあるバケツ型のボタンをクリックして、カラーパレットから選びます。
印刷プレビューで確認します。
「表」と「テーブル」
操作を感覚としてつかむ練習なので、罫線で見栄えも整えましたが、Excelで作る「表」は、本来「データベース」です。
実務で私達が作成するのはデータを淡々と積み重ねていく「表」で、他の作業――デザイン、計算、検索、抽出などはExcelが代行してくれます。その代行作業を請け負う機能が「テーブル」です。
「表」の枠組み(見出しの構築)まで完了したらテーブル化し、データ入力から先はテーブル機能をフルに使って流れるように作業できます。
実務で「表」作成に取り掛かるなら、迷わずに「テーブル」の使い方を習得することをお勧めします。以下の記事では、テーブル化の意義、利点から詳細な使い方までを図解しています。