条件付き書式で行の項目全てに色付けする
「条件付き書式」とはその名の通り、ある条件を満たしたデータに特定の書式を施して差別化・強調する便利機能です。平均値より上、下のセルを抽出して色分けするといった基本的なことならマウス操作だけで瞬時に実装できますが、ある条件を満たした行全体に色付けするには少し技術が必要。その手順を図解していきます。
条件付き書式で行を指定するには複合参照が欠かせない
例えば、模擬試験の成績表サンプルで総合点の平均以上を抽出して色付けするなら、総合点の範囲(下図の赤線内)を選択して、
「ホーム」タブ「条件付き書式▼」から
「上位/下位ルール」⇒「平均より上」と辿ってクリック、ダイアログボックスに表示された規定の書式でOKすれば、
瞬時にセルの色付けが完了します。
でも、今やりたいのはこういうことじゃなく、「総合点が平均以上なら、氏名や他の学科の点数セルまで行全体に色を付けたい」のです。
この実装の手順は、まず、氏名と点数の入った全てのセル範囲を選択します。
最初の氏名の入ったセルをクリックし、最後の人の総合点が入ったセルをShiftキーを押しながらクリックすれば、色分けしたいセル範囲が選択できます。
「条件付き書式▼」から「新しいルール」をクリック。
「新しい書式ルール」ダイアログボックスが開いたら「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。
「次の数式を満たす場合に値を書式設定」下のテキストボックスをクリックしてカーソルが点滅している状態で、総合点の数値が入ったH列のセル範囲をドラッグして選択します。
同時に、テキストボックスの中に「=$H$3:$H$12」とセル範囲の番地が表示されます。
でも、ガチガチの絶対参照になっているので、判断基準にする値がH列にある数値全部というワケわかんない状況になっちゃってます。
4行の判断基準は4行の総合点(H4セル)の値に、5行の判断基準は5行の総合点(H5セル)の値にしたいわけですから、絶対参照から複合参照(絶対列参照)に修正します。判断基準はH列の中から選ぶけれど、行は可変にしたいということですね。
絶対参照・相対参照・複合参照について徹底的にわかりやすく
そこで、行にある絶対参照の鍵($)を外しましょう。F4キーを2度叩くと「行番号の$」が外れて複合参照(絶対列参照)になります。
「=$H$3:$H$12」⇒「=$H3:$H12」
続けて「>=」を入力します。「~以上」という意味です。
更に続けて総合点の平均点(H13セル)をクリックすれば、
「$H$13」と絶対参照でセル番地が入力されます。「総合平均点」は唯一無二の値ですから、このままガチの絶対参照でOK。
最終的な入力値は「=$H3:$H12>=$H$13」。
「H列にあるそれぞれの行の総合点が総合点の平均以上の時は~」という条件付けになったわけです。…で、その後に続くのが書式の設定ということになります。
「書式」をクリックします。
ダイアログボックスでは「表示形式」「フォント」「罫線」「塗りつぶし」などいろいろな書式を指定できますが、ここではシンプルに薄いピンクの塗りつぶしでいきます。
2度「OK」すると、平均点以上の総合点を取った人の列に色が付きました。

「平均点」を集計した行を設けない場合、「新しい書式のルール」ダイアログボックスで入力する数式を =$H3:$H12>=AVERAGE($H$3:$H$12) にしても同じ。
※【参考】 データの入った最初の行を選択して、
新しい書式ルールを適用し、
下へフィルコピーしても同様の結果が得られます(コピー後は横に出るアイコンをクリック ⇒ 書式のみコピー(フィル)をチェック)