Excel使いこなしの基礎と応用


データ表にはテーブルを使うべき! その理由と設定方法

テーブル化すると何が変わる? テーブル機能を使う利点とは? デメリットは無いの? に答えるとともに表の設定手順、原則などテーブルの基本を解説します。

目次


データベースを知ればテーブルのありがたさが理解できる

データベース」とは情報が蓄積されたコンテナ(保管庫)です。淡々と規則的に積み上げられた記録の山をイメージして下さい。そしてあなたがそのコンテナの管理者なのです。

管理者のあなたは膨大なデータの山から特定の古い記録を探し出せ、と言われて途方に暮れます。あなたに必要なのは能率の権化のような超一流の秘書でしょう。あなたに代わってデータを整理し、記憶し、選り分け、要求通りの情報をたちどころに差し出してくれる有能な助手。彼(または彼女)こそが「テーブル機能」です。しかも、この助手は保管庫の整理棚までオートマチックに組み立ててくれます。

「テーブル」が表の作成とデータ管理を効率化させるための機能だと分かれば、どう付き合っていくべきか見えてきますね。ここからは私見が入りますが、Excelは「データベースの管理は能率が全て。できるだけ無駄を省き、時間短縮と省エネに努めましょう」と促しているのだと思います。

テーブルの設定とスタイルの選定

実際、「テーブル」を設定する操作はとても簡単で、シンプルな導線に沿ってあっという間に表組みが出来上がります。表にしたいセル範囲を選択して、「ホーム」タブの「スタイル」グループにある「テーブルとして書式設定」ボタンをクリック。
「テーブルとして書式設定」ボタン
ボタン直下に「スタイル」の一覧が表示されるので好みのものを選んでクリック。
テーブルのスタイル一覧
以下のようなダイアログボックスが出たら、選択したセル範囲の指定になっていることを確認した上で「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックを入れて「OK」。
テーブルとして書式設定のダイアログボックス
選択した範囲がテーブルに設定されました。
テーブルが設定されたセル範囲
このテーブルのスタイルはいくつかのカラーと罫線の組み合わせから数十種類のバリエーションを持ちます。テーブルには通常の書式も設定でき、このスタイルよりも優先されますので独自のデザインにカスタマイズすることも可能ですが、前述したように能率重視の観点から、提供されたスタイルをそのまま使うことをお勧めします。

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この表組みは1行おきに色が塗り分けられて見やすく工夫されており、データの入力時に前後の行との識別を助けてくれます。装飾は必要最小限、テーブル機能のコンセプトに則したシンプルな作りです。


表をテーブルにすると何が変わるのか

表をテーブルにすると、テーブル化する前の表では手動で計算式を入れたりタブを切り替えながら操作していた手順が削ぎ落とされて簡略化し、表の内部だけで完結するようになります。

追加・削除の単位がフィールド(列)とレコード(行)になる

先頭行に各フィールド(列)ごとの見出しが付き、ここは固定(名前自体は変更できます)されます。A列に属するセルにはA列の見出しに則した内容のみが入力されるという強い縛りですね。これは行にも言えることで、一つの行には一件のデータのみを入力する必要があります。この原則を守ることでデータベースの活用がスムーズになるのです。

通常の表組みではセル単位の追加と削除ができますが、テーブル化した表内では追加と削除の単位は常に列ごと、行ごとになります。そうした縛りをかけることで表組みの崩れが回避され、データが常にあるべき場所にきちんと収まっている状況が維持されやすくなるわけです。


フィルターボタンが付く

テーブルを設定すると、その瞬間から表に「オートフィルター」機能が組み込まれます。列見出しの右横にある▼は「フィルターボタン」で、ポチッとすると並べ替えのリストや検索条件の入力ボックスが表示されます。
フィルターボタン
ここでの操作でデータの並べ替え、抽出などがスピーディにできるようになります。
フィルターボタンからメニューを表示


集計行をワンタッチで追加できる

テーブル内をクリックして表示される「テーブルツール」-「デザイン」に切り替え、リボンの「テーブルスタイルのオプション」にある「集計行」にチェックを入れるだけで表の最終行が集計行になります。
集計行の追加
数式を入力しなくても合計値・平均値などが自動で計算されるようになります。


範囲を広げる(縮める)のが簡単になる

テーブルの範囲を列側に広げるのも行数を増やすのもとても簡単にできます。

最終列最終行のセルの右下隅に直角のカギ括弧みたいなマークがありますね。
テーブルの範囲を拡張・縮小するカギ括弧型のマーク
ここにカーソルを合わせて右方向へドラッグすれば列を増やすことができ、下方向へドラッグすれば行を増やすことができます。書式も数式も複製され、集計行がある場合は自動で最終行に移動していきます。同様に内側にドラッグすれば列・行を減らすことができます。

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表の途中で行を追加する場合、通常の表では数式が継承されませんのでフィルコピーなどして補正する必要がありますが、テーブル化した表では右クリック ⇨ 挿入 ⇨ テーブルの行数式・書式すべて継承した行が追加されます。


参照形式が変わる

テーブル化した表では参照形式が「構造化参照」という独特の表記になります。

通常(A1参照形式)のセル番地の代わりにテーブル名・フィールド名をそのまま組み込むので、数式の構造が直感的に理解しやすくなっています。

下図はH1セルI1セルの文字列をconcat関数で連結してJ1セルに表示させる数式を構造化参照で表記した例です。
構造化参照で表記した数式
セル番地の代わりに@フィールド名(列見出しの名称)が表示されて、何がしたくて挿入された数式か見ただけでおおよそ見当がつきますね。


テーブル化のデメリット

データ入力前に枠組みを作る段階からテーブル化して作業するのであれば、デメリットを被ることはないでしょう。データベースとしての原理原則に従って管理されていく限り、テーブル機能に死角はないはずです。

ただ、既に完成された表をテーブル化した場合、レコード(行)を追加しても数式がコピーされないので、改めて数式を入れ直す必要が出てきます。また、表内にセルを結合した箇所があると強制的に解除されます。そもそも、テーブルではセルの結合はできないのです。

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くどいようですが、テーブルは表をデータベースとして活用することに特化した機能です。整然と並べられたタイルのような規則性があってこそ本領を発揮します。

行の途中で副題を入れたり注釈を付けたりする複雑な構成の表にテーブルを設定してもうまく機能しません。一つのシートに複数のテーブル化した表を並べるのも、予期しないアクシデントを招く確率が高いのでNG。テーブルはイレギュラーな要素が入り込むことを歓迎しないということですね。

プレゼン資料や企画書に印刷するため凝ったレイアウト、デザインの表を作成する必要があるならデータだけ抜き出して別個にテーブル化しない表を作るのがベターだと思います。

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